ジャンゴは生前557曲のレコーディングを残したというが、実数は良く分からないのではないだろうか。
特に近年のジプシー系音楽の流行によりアナログ時代には考えられなかった程のタイトル数がリリー
スされている。私はシリーズものを欠番ナシに全部買い求めるという事はしないので、徹底的なマニア
には遠く及ばないが、僅かなジャンゴ・コレクションをここにご紹介します。


ジャンゴ・ラインハルト15枚組ボックスセット(CD)
何と都内のショップで5000円以下で買える超お得な15枚組セット。1枚300円ちょっとという値段はどう考えても納得出来ないが、もちろん安い訳だから文句があろう筈もない。この店に行くとこればかりではなくて、他のものも格安で売られているので(但し古いものばかり)、行ってみたいという人はお気軽にメール下さい。このセットに関する詳細はこちら
ジャンゴ・ラインハルト3枚組ボックスセット(CD)
こちらも上記の15枚組セットと同じ店で売られている3枚組セット。これは1100円位だったような記憶がある。
数あるジャンゴの録音の中からヴァイオリンのステファン・グラッペリとの共演ものを集めたコンピ盤。
ジャンゴ入門用としては最適かもしれないが、残念ながらライナーなどは付いていない。詳細はこちら
ジャンゴ・ラインハルト・ベスト(LP)
1972年に発売された廉価盤のベスト・アルバム。私がジャンゴを聞き始めるキッカケになった記念すべきアルバム。
私がジャンゴ入門用としてこのアルバムを選んだのは単純に安いという理由から。でもそれは大正解で、以後ジャンゴに傾倒するようになっていった。
詳細はこちら
ジャンゴ・ラインハルト1910-1953(LP)
タイトルに付けられた年号はジャンゴの生年と没年を表しているが、このアルバムは基本的にはライブ・アルバムだ。
ビッグ・バンドとの共演テイクも含まれており、ライブ録音の少ないジャンゴの貴重なものといえる。
因みに私はこのアルバムを聞いて、日本のコミック・バンド?“クレイジー・キャッツ”のテーマが“クレイジー・リズム”という曲である事を知ったのだ。
余談だが、このジャケットはクロームっぽい仕上げで金ぴかなのだが、スキャナーで取り込むとそういう微妙な色味の再現は出来ないようだ。
ジャンゴ1935(LP)
日本の東宝レコードがリリースしていたジャズ・コレクションの中の1枚で、当時これはシリーズになっていた。
これらをすべて買えばジャンゴの事がすべて?理解できるというコンセプトのようで、因みに本作品はタイトルが示すように1935年録音を集めていて、解説には「ジャンゴ・ラインハルト物語−2」という記事がある。

ジャンゴ・ラインハルト/イン・メモリアル(LP)
1935年から1939年までの録音を集めたアルバム。すべてパリで録音されたものだが、アメリカのミュージシャンとの共演を含む全12曲収録。2曲だけジャンゴのソロ・ギターによる演奏もあり聞き逃せない名演だ。
ジャンゴ'35-'39(LP)
分かり易いタイトルのアルバムだ。
1935年から1939年というとステファン・グラッペリを擁した第1次(何だか南極越冬隊みたいだが)フランス・ホット・クラブ五重奏団の活動期間で、その時期の演奏をセレクトして1枚にしたもの。
ジャンゴとアメリカン・フレンズ(LP、2枚組)
1935年から1939年にかけてフランスを訪れたアメリカのジャズメンとの共演盤。すべてパリで録音されているが、それらの総テイク数は34曲だったらしくて、このアルバムはその中の2曲を割愛して32曲収められているLP2枚組。
私が特に気に入ったのが1935年11月録音の“スター・ダスト”。ワシントン出身のピアニスト“ガーネット・クラーク”のピアノが素晴らしくて、私を熱狂させた。しかし残念ながらこの人はパリで発狂して3年間の病院生活の後死亡したと伝えられている。
ジャンゴ・イン・ベルギー1942(LP)
ジャンゴのグループのリズム・セクション3人とベルギーの2つのオーケストラ、そしてピアノとのデュオという3つのセッションから構成されたアルバムでブリュッセル録音。
オーケストラとの共演といってもとてもシンプルで、ジャンゴの流麗なギターが堪能できる。
特にピアノとのデュオは私のお気に入り。
ジャンゴ・ラインハルト(LP)
私が1972年に購入した、これもベスト盤と言えるのだろう。1946年と1947年録音が混ざっている。
上記の「ジャンゴ1935」と同一の「ジャズ・コレクター・オンリー」シリーズ。
ブリュッセル48(LP)
1948年12月、ベルギーのブリュッセルで録音されたジャンゴには珍しいライブ盤。
バンドの編成はユベール・ロスタンのクラリネットを擁したH,C,Fで「マイナー・スイング」や「雲」といったジャンゴの代表曲も演奏されている。ジャンゴが個人的に自分のテレコで録音したという事で、決して録音は良くないが貴重度はかなり高いといえるアルバム。
ダフネ(LP)
東宝レコードからリリースされていた「ジャンゴ・ラインハルト傑作集」のNo.1に当たるのがこの作品で、原題には「L'INOUBLIABLE」と付けられているが、私には読みも意味も不明。
この作品は第二次大戦以降・・・・という事はつまりジャンゴの晩年に録音されたものを集めたもので、発表当時はすべて未発表音源だったという。そもそもフランスの放送局が収録した放送用の音源との事で音質も悪くない。
ジャンゴロジー(LP)
現在ジャンゴの音源はCDでかなりの数量リリースされているが、アナログの時代からCD時代の今日までこのアルバムのジャケットは馴染み深い。
ジャンゴのアルバムのジャケットはジャンゴの写真を使ったものや、バンドの写真などおおよそデザインを意識したものは感じられないが、このジャケットはジャンゴを意識したデザインが感じられる。
アルバムの内容はベスト的なもの。
ジャンゴロジー/3(LP)
シリーズでリリースされていたジャンゴロジーの3が本作で1937年録音を集めたもの。
私は熱心なマニアではないので、欠番ナシに全部揃えるという事は考えなかった。
ジャンゴロジー/8(LP)
同上1938年から1939年録音を集めたもの。
ジャンゴロジー/1(LP)
同上1940年録音集。
ジャンゴロジー/13(LP)
同上1942年から1943年録音集
“INEDITS”(LP)
こちらもシリーズものの中の1枚。
ルシアンの青春(LP)
およそジャンゴのアルバムらしくないタイトルだが、これはフランス映画「ルシアンの青春」にジャンゴの音楽が使われた事によるものだ。こういうのもサントラのひとつになるのかもしれないが、映画で使われたのはA面の6曲だけ。
私もジャンゴの名前に引かれてこの映画を見たが、戦争を題材にした暗い感じの作品で私の好みではなかったので、あまり覚えていない。
「マイナー・スイング」が“ルシアンの青春”のテーマになっている。
“PARIS 1945”(LP)
先に紹介した「アメリカン・フレンズ」とは別物のアメリカ・ジャズメンとの共演盤で、1945年にパリのジャズ・クラブで録音されたものだという。お馴染みのH,C,F,とは違う雰囲気の中でジャンゴの演奏が楽しめるのだが、さすがにアメリカのジャズメンとの共演という事になると、ジャンゴの音楽に特有のジプシーのニオイは薄い。
パリジャン・スイング(LP)
私がジャンゴを聞き始めた頃には確かこのアルバムは2枚組(幻のギタリストというタイトルだったような記憶があるが)で出ていたような気がする。ジャンゴのアルバムとしてはちゃんとしたタイトルが付けられた数少ないアルバムの中の1枚で、内容も良い。
私のお気に入りは“プリーズ・ビー・カインド”という曲で、初めてこの曲を聞いた時には“ロス・インディオス・タバハラス”を連想したものだ。しかし、考えてみればジャンゴの方が元祖なのは当然で、タバハラスが影響を受けたのであろう。しかしながらシングル・ノートでの微妙なヴィブラートのかけかたはタバハラスに似ている・・・・と思ってしまうのだ。
ジャンゴ・ラインハルト&ステファン・グラッペリ(LP)
上記アルバムと同じジャケット・デザインだが、アルバムの共通性はないようだ。数あるジャンゴのアルバムの中でジャケット・デザインは「パリジャン・スイング」と本作がいちばん好きだ。(色が違うだけで同じデザインだけど・・・)
スイング・イット・ライトリー(LP)
ジャンゴの古い録音に新しいバックをカブせたもの。バックは1968年にカブせているが、意外な程に違和感は少ない。
アルバムとしては異端かもしれないが、ある意味では最新(といっても1968年だけど)の技術によって新しい雰囲気に生まれ変わったものとして興味を持つ方もいるのではないだろうか。元になっているジャンゴの演奏はほとんが1953年3月の録音で、ジャンゴはこの年の5月に亡くなっている訳だから最晩年の演奏という事になる。

ザ・イモータル・ジャンゴ・ラインハルト・ギター(LP)
日本語でイモータルと書いてしまうとずいぶん安っぽい感じがしてしまうが、ジャンゴの演奏はその言葉が示すように不滅だ。本作品の内容は取り立てて語るほどの事はないようなベスト的なもの。