ジャンゴ・ラインハルト
DJANGO REINHARDT

The International Music Company
Order No 203207
ドイツ盤
2000年
収録曲数:307曲
(全曲目をここに記する勇気はない)


何と、なんと、なァーんと都内の某CDショップで4000円台という驚くべき値段で売られているジャンゴ・ラインハルトの15枚組ボックス・セット。
聞くところによると1949年以前の音源については自由にCD化出来るらしい。
そんな事が理由になってこの値段なのかとも思うが、それにしてもCDのメディア代や箱、印刷物などを考えたらどうしたって4000円台・・・つまり4000円台という事は工場出荷の段階ではもっともっとさらに安い訳で、いくら何だってそんなに安くCDの15枚組が出来るハズはないと思うのだ。
しかし何よりも307曲ものジャンゴの名演集がこの値段で入手出来る事を素直に喜びたい。
私も過去に買い集めたジャンゴのアナログ盤を10枚以上持っているが、それらのLP盤をCD−Rに焼き付けて楽しもうと思っていた矢先にこのセットを見付けたので、CD−Rにコピーするのは止めたのだ。
だって録音用のCD−Rを買って苦労してCD−Rにするよりもこのセットを買った方が遙かに安いではないか。
もちろんこのセットを買って307曲ものジャンゴの演奏を入手してもそれが全てではない。しかし15枚組を真剣に聞いたらかなりの時間を要する。
つまりジャンゴの全てを入手出来る訳ではないが満足度はかなり高いのではないかと思うのだ。
現在ジャンゴのCDはかなりの数リリースされていて初心者だったらどれを買ったらいいのか迷うところだが、このセットは値段的には手頃なのでオススメしたい。
内容的な事で今更語る事はあるまい。
ただ一心不乱にジャンゴが残してくれた珠玉の名演に酔えばいいだけである。

IMC MUSIC LTD.
GSS5312
ポルトガル盤
2001年
収録曲数:44曲


しかし、先に紹介した15枚組ではちょっと荷が重いと仰る向きもあろうかと思う。
そんな方々にはこの3枚組が良いかも知れない。
ジャンゴの歴史の中では多くのミュージシャンと共演をしているが、その中でもいちばんインパクトがあるのはヴァイオリニストのステファン・グラッペリとやったものだろう。この3枚組のセットはそのグラッペリとの共演ものを中心にセレクトしたものだ。
個人的にはジャンゴの演奏の中ではステファン・グラッペリとやっているものがいちばん好きなので、私的にはこの3枚組はかなりオススメだ。
そしてこのセットも先の15枚組セットを販売しているのと同じ店で、何と、なんと、ナァーント1190円で売られているのだ。
これは買うしかない。
良く歌うグラッペリのヴァイオリンと哀愁に満ちたジャンゴのギターの調べは最初にして最後の鉄壁の組み合わせだ。
こちらも収録曲について述べるのは控えるが、たった1曲だけ述べさせてもらうとジャンゴの代表曲として名高い「マイナー・スイング」はこのセットに収められている演奏が比較的有名で先の15枚組セットにも収められているが、クラリネットのヒューバート・ロステイングスとやっているものも良いのだ。
ジャンゴのギター・プレイだけを考えれば私は後者の方が好きなのだが、曲というのはいくら一人のプレイヤーが抜きん出て良くてもダメで、全体のバランスが重要なのは言うまでもないだろう。
そこへいくとジャンゴとグラッペリが揃った「マイナー・スイング」は良く歌うヴァイオリンが全体のレベルを引き上げているように思えるのだ。
まあどちらも甲乙付け難いというのがジャンゴ・ファンとしての私の正直な感想なのだが、いずれにしてもジャンゴのビギナーもベテランも入手して損のないセットだと思う。
最近のボックス・セットは豪華で詳細な解説書が添付しているのが当たり前のようになっているが、残念ながら15枚組にも3枚組にもそういうものは付いていない。
アカデミックにジャンゴを追求しようという向きには不満の残るところだが、とにかくタダみたいな値段なのだから我慢しよう。