Perry Como With
The Fontain Sisters

2001年発売
BMG BVCJ 37231
これはかつてのアメリカの人気テレビ番組「ペリー・コモ・ショー」にレギュラー出演
していた3人組女性コーラス・グループ「フォンテイン・シスターズ」と、ペリーの共演
を集めたコンピレーション盤で、2001年に発売された楽しいアルバムだ。
私は何故か女性3人組コーラス・グループというのが好きで、しかも出来ればグルー
プだけのものよりもこの作品のようにメインになるシンガーの存在があった方が、より
楽しいような気がするのだ。
本作品も私の期待を全く裏切る事のない、絶品ヴォーカル・アルバムになっている。
何気ない歌とコーラスの中にも計算されつくした、心地良い大人の味わいがあり、最
近こういう音づくりはすかっり耳にしなくなってしまったと思うのだ。
「音楽の楽しさとはこういうものなのだよ」と教えられているかのようだ。
今なら廉価で売られているので興味がある人にはオススメだ。

Judy At Carnegie Hall
Judy Garland

2001年CDリリース
Capitol 72435-27876-2-3
名盤として名高いジュディ・ガーランドのカーネギー・ホールでの1961年4月のライブ
の模様を収録したのが本作品。2枚組でトータル約120分の収録時間になっている。
これはLPでは収録出来なかった長時間で、このCDはこの夜のコンサートの模様を
完全収録したものだという。
先に紹介したペリー・コモもそうだったが、現在こういうサウンドで歌を聞かせてくれる
歌手はいなくなった。
オープニングの「オーバーチュア」から、リズミカルなビッグバンドの演奏にグイグイ引
き込まれる快感に鳥肌が立つ思いだ。
ジュディの人気曲として名高い「オーバー・ザ・レインボウ」では、感極まって嗚咽して
いるのか途切れ気味の歌声に、いつかギタリストのレス・ポールが昔を述懐した語っ
た、「ジュディは目に涙をためてこの歌を歌った」という言葉がオーバーラップする。
Linda Ronstadt
Don't Cry Now

1973年作品
ワーナー AMCY-3179
リンダ好きな私としては、リンダを紹介する時に何を選ぶか大いに迷うのだが、今回
は本作品を挙げておこう。本作は初期リンダを代表するものとして「悪いあなた」と並
ぶ作品だ。個人的には好きな曲が多く収録されていて今でも聞く事が多い。
「デスペラード」、「コロラド」、「エブリィバディ・ラブズ・ウィナー」など秀作が多い。
中でもエリック・カズの名曲「ラブ・ハズ・ノープライド」はお気に入りの1曲だ。
この曲はボニー・レイットなど多くのシンガーがカバーしている人気曲で、お好きな方
も多いと思う。
後にトータルなシンガーへと進んで行ったリンダの最後?のカントリー寄りのアルバ
ムとなった事も、気に入っている理由のひとつかもしれない。
ペダル・スティールのバディ・エモンズ、スニーキー・ピート、ギターのラリー・カールト
ン、そしてJ.D.サウザー、グレン・フライの参加などバック陣も豪華だ。
最近は健康を病んでいる様子のリンダだが、再びこういうサウンドのリンダを聞いて
みたいものだ。
Dionne Warwick
Friends In Love

1982年作品
BMG ARISTA BVCM-37275
1982年発売のAOR路線で製作された非常に出来の良いアルバム。
あのジェイ・グレイドンがプロデューサーを務めたサウンドは正に大人の香りがたっぷ
りで、心地良い音に満ちている。
もちろん曲も良い。アルバム・タイトルにもなった「フレンズ・イン・ラブ」をはじめ、名曲
が目白押しで最後まで飽きさせない。
ジェイ・グレイドン、デヴィッド・フォスター、ラリー・カールトン、スティーブ・ルカサーなど
バックを務めるミュージシャンの顔ぶれも豪華であるが、ディオンヌの歌は豪華なバッ
ク陣にいささかも引けを取る事はない。
昨年再びCD化されてお目見えしたが、最新の処理を施された音はとても20年前の音
とは思えない。
Connie Fraancis
Song To A Swinging Band

1957年作品
ポリドール POCJ-2661(CD)
コニー・フランシスといえば、何と言っても「ヴァケイション」や「カラーに口紅」などの大
ヒットを思い浮かべるが、他にも良いアルバムをたくさん出している。
1957年録音の本作も私のお気に入りの1枚で、ヒット・シンガーとしての“コニー”とは
別の魅力をたっぷり味わえる名盤といって良いだろう。
タイトルが示すように、ビッグ・バンドをバックにジャズを歌ったアルバムで、本格的な
ジャズ・シンガーと比べても何の遜色もない仕上がりだ。
ジャズを歌っているとはいっても音はやはりコニー・サウンドになっていて、そこがサス
ガで、どんなジャンルの歌を歌っても自分のカラーにしてしまえるのは凄い。
他のコンセプト・アルバム、例えば「アメリカン・ワルツ」と題されたワルツ集などもとて
も良い出来で一聴の価値ありだ。
Elvis Presley
How Great Thou Art

1967年作品
BMG BVCM-37092
当サイトのチェット・アトキンスのコーナーで紹介している「Plays the Back Home Hymns」
のところでも述べたのだが、私はどういうワケかヒム物が好きなのだ。
理由は分からない。宗教的バックボーンはまったくないのだが、全般的にヒム物はメロ
ディが美しい上に、コーラスがきれいなので好きなのかと理由を付けてみてもそれは
結局はこじつけだと気付いた。
この作品はいつもの豪快なロック歌手としてのプレスリーを期待するとがっかりするか
もしれないが、メロディの美しさ、そしてそれを活かすプレスリーの歌唱にハマリ込む
事になる。
ロニー・タットやジェームス・バートンが活躍する“動”のプレスリーはもちろん良いが
ここで聞けるような“静”のプレスリーもしみじみ良いのだ。