ザ・タイガース・オン・ステージ−3

01.ホワイト・ルーム
02.ミスター・ムーンライト
03.風は知らない
04.美しき愛の掟
05.オブラディ・オブラダ
06.チュイ・チュイ
07.タイガースの子守歌
08.マイ・ガール
09.ワールド
10.傷だらけのアイドル
私の友人の「ポップ・ステーション」のサイトで未使用
チケットがアップされている埼玉新聞社主催の「ザ・タ
イガース・ショー」の時のステージ写真。
今は亡き私の友人が学校の規則を無視してコンサー
トに行き撮影してきたもので、中学生ながら彼女とは
良くジャズ喫茶などにも行った想い出がある。
中学校で写真部だった彼女が撮影したタイガースを
始めとするGSの写真は他にも多数あるはずだが、
今となってはどうする事も出来ない。
このテープは当時の私の小遣い事情を表していて、
短いテープを継ぎ接ぎして1本にしてある。
だがこのテープは当時の私が常用していた秋葉原
の放送局放出品ではなくて、近所の電気屋で3号テ
ープの新品を買ってつないだのだ。
写真はお見せ出来ないが、とても珍しい白テープを
使っている。


Side-A の01-04はトッポ脱退後の新生タイガースによるサマー・ランドでのライブ。
この頃GSを取り巻く音楽界は大きく流れを変えようとしていた時期であり、隆盛を極めたGSブームも終焉を迎えつつあるという状況であった。
そんな中でタイガースもいち早く最新の音楽をやったというのが、当時大人気であったクリームの「ホワイト・ルーム」であったのだろう。
今や懐かしい音と云えるワウワウを使ったタローのギターが聞ける。
「ミスター・ムーンライト」は可もなく不可もなくといった出来映えだが、どうもアレンジがいただけないと感じるのはビートルズの演奏の印象が強すぎるせいだろうか。もっともビートルズが演奏したカバー曲の中でいちばん知名度が高いといわれるのがこの曲だから、印象の強さという点では比較にならないのかもしれない。
ジュリーの「新曲を聞いて下さい」のMCで始められる「風は知らない」はなかなかの好演奏。
あの時代この曲に関しては特別な感慨を抱いた記憶はないが、今こうして聞き返してみると実に良い曲だ。
タローのギターも他の曲で多用していたエフェクターの目立った使用がなくて、とても良い感じだ。
カントリー・ライクなギターといってもいいかもしれない。
ワタシ的にはタローのギター演奏の中でこれがベスト。
「美しき愛の掟」は何とも重い感じの曲で、ワタシにとっては何となくあの頃のタイガースが背負っていた重い物?と印象がダブるのであまり好きではないのだ。それにタイガースにはもっとポップな明るい感じの曲の方が似合う気がする。
順序が逆だが「オブラディ・オブラダ」からはオリジナル・タイガースの演奏。
やはりこちらの方が音が厚くてバンドのまとまりも良いようだ。
「チュイ・チュイ」はピーのソロ・ヴォーカルによる演奏だが、いつもの事ながら聞くのがツライ歌唱だ。
各メンバーの顔見せと言ってしまえばそれまでだが、何も無理して歌わせる事はなかったのにと、今にして思う。
「タイガースの子守歌」はオーケストラとの共演だ。
タイガース以外にもオーケストラとの共演をしているケースは多いが、ほとんどの場合バンドだけの演奏より悪くなる事の方が多くて、何故金をかけてバックにオーケストラを付けたのか理解に苦しむ。
既にこのサイトで紹介済みの「タイガース・ライブ−1」に収録の「星のプリンス」は、タイガースのメンバーだけによる演奏だが、かつて聞いた事があるオケ付きのテイクよりもこちらの方が全然良い。
やはりこういうバンドは下手にオケを付けない方が良い。
余談だがゴールデン・カップスに「リサイタル」銘打ったアルバムがあり、そのA面がオーケストラとの共演で、B面がカップスのメンバーだけによる演奏なのだが、こちらでもB面の方が断然良い出来だ。
あの時代マネジメント側はバンドを信頼していなかったのだろうか。
「マイ・ガール」は私が所持しているタイガースのカバー曲の中で一番気に入っている演奏だ。
トッポのギターは時代を感じさせる強烈なファズ音で、音も良く伸びている。
あの当時観客がどの程度こういう曲を理解していたのか分からないが、ビートルズ、ストーンズ、ビージーズなどのカバーが多かったタイガースのレパートリーの中で、この選曲はやや異色だったような気がする。
タローがオルガンを弾いた「ワールド」はトッポが得意にしていたナンバーだが、トッポ脱退後のシローが歌っているビージーズものと比べると、やはり圧倒的にトッポの方が良い出来だと思う。この曲は録音状態も良好。
ジュリーがワケの分からない曲紹介をしているのが面白い。
静かな出だしから徐々に曲を盛り上げていく感じは、あの頃のナマのステージを実際に経験していると余計に感慨深いものがあり、トッポの歌の時にはファンの嬌声もやや静かになったのを思い出す。
「傷だらけのアイドル」は何故か今でも人気が高い曲らしい。私個人としては前出の「美しき愛の掟」同様重い感じの曲調が今ひとつなのだが、ジュリーのパフォーマンスは深く印象に残っている。
曲の半ばから会場をひっくり返したようなファンの興奮ぶりがスゴイ。
これも録音状態は良好だ。