ザ・タイガース・オン・ステージ

5号テープ。9.5cm2トラック、モノラル録音
収録時間 約45分

1.ハロー・グッドバイ
2.マイ・ジェネレーション
3.ホリデイ
4.青い影
5.エヴリィバディ・ニーズ・サムバディ〜シー・セッド・イエ
6.落葉の物語
7.星のプリンス
8.リリアン・シンシアリー
9.サウンド・オブ・サイレンス
10.光ある世界
11.廃墟の鳩
12.シー・シー・ライダー
13.シー・シー・シー
14.ネヴァー・マイ・ラブ
15.孤独の太陽
16.タイム・イズ・オン・マイ・サイド


このタイガース・オン・ステージと名付けたテープは私のテープ・ライブラリーの整理番号No.1が付けられた記念すべきテープだ。
秋葉原の富士音響で買った放送局放出の5号中古テープにモノラル9.5cm・ハーフ・トラックで録音されたA面が上記リストにある曲で、今となってはかなり貴重なのではないかと思うのです。
1〜5は1968年の後楽園球場でのライブの模様がテレビ放送されたものを録音。
この日タイガースが使用した機材がとても調子悪くて、メンバー達はとても苦労したと後に何かの本で読んだが、この録音を聞く限りその様子はあまり分からない。それよりも「5」のメドレーで聞ける加橋かつみのギター・ソロで、その音が良く伸びているのに興味を持った私はどんなエフェクターを使っているのか気になったものだ。
当時そういう事情に詳しかった友人に聞くと「エキスパンダー付きファズ」を使っているという事だった。私はファズならエーストーンのものを所持していたのでエキスパンダーだけ買えばいいと思って楽器屋に走った。そしてさして高くもないエキスパンダーを購入。
そして早速使ってみたらエキスパンダーというのはタダのフット・ボリュームで、私が望んだ音など少しも出なくてがっかりした事がある。
6〜11までは1968年大阪フェスティバル・ホールでのライブから。
何故かよく分からないのだがこの日のステージの模様は目に焼き付いて残っている。特別変わった事があったワケでもないし、印象深い演奏というワケでもないのだが、私の記憶の中ではこの日のステージを鮮やかに思い出す事が出来るのが不思議だ。
7と11では今は亡き関西の漫才師・南都雄二のナレーションが挿入されていて、音楽的には大いに気分を殺がれるが、当時の雰囲気が出ているという点では面白いナレーションだ。
「星のプリンス」はスタジオ盤だとただひたすら甘ったるいが、ここで聞ける演奏はスタジオよりもずっと良いというのが私の感想だ。そういう意味ではやはりナレーションの存在が残念だ。
10と11はオーケストラとの共演であるが、10が何となく尻切れトンボのような感じで終わっているのが残念であり、放送自体がこんな中途半端に編集されていたのだろうか。11も南都雄二のナレーションが邪魔だが、加橋かつみのハイトーンが今とは違って伸びやかでツヤがあり良い出来だと思う。この曲は今でも良く歌っているが、やはりこのテープで聞けるまさに「旬」の状態での演奏は無理がなくて良い。
12〜15までは同じく1968年の日劇ウェスタン・カーニバルからの録音。
この時のステージの模様も先の大阪フェスティバル・ホールの時と同じように良く覚えている。13の「シー・シー・シー」の間奏で加橋かつみのギターがミスをしているが、ご愛敬といったところだろう。
16はタイガースの18番としてとても良く演奏していた曲であるが、これは1968年12月の、今は無き蔵前国技館でのライブから。
前のウエスタン・カーニバルのライブなどと比べると、このステージでの観客の熱狂ぶりが凄くて、これはただ単にソースの録音の状態が違うだけだと思うが、当時の熱狂の凄まじさが聞けるのが嬉しい。