「永遠のモータウン」に涙する

これが映画のサントラ盤だ。
これを聞いてオリジナル・アーティストの演奏
と比較して云々するのは正しくない。
個人的には納得しかねる演奏もあるのだが、
大半は力の入った優良なカバーで、素晴らしい
演奏が続く。
2004年6月17日(木)埼玉地方の天気:晴れ

先日ずっと念願で機会を狙ってた映画を見てきた。
そもそもの発端は夜中に友人のギター弾きからかかって
きた1本の電話だ。
電話に出ると、
友人「すげぇイイ映画だった。お前も早く見に行け。明日
会社を休んで行け。いや今日行け。イヤ今すぐ行け」
私「この時間じゃやってないでしょ」
友人「・・・・・・・・」
私「・・・・・・・・」
友人「じゃあなるべく早く見に行け!」
・・・というわけで彼の興奮状態の余韻を残したまま
電話は切れたのであった。

まあ友人が言うようにすぐには行けなかったが、先日やっと
見てきました。
「永遠のモータウン」
いやぁ良かったです。
私も興奮しました。血圧上がりました。
この映画はモータウンの数々のヒットを陰から支えたバック
・ミュージシャンにスポットを当てた映画で、ヒット曲製造
工場と言われた“ヒッツヴィル・スタジオ”を根城に
ヒット曲を量産したミュージシャン達のドキュメンタリーだ。
そのヒット曲の数は“ビートルズ”“プレスリー”“ストーンズ”
“ビーチ・ボーイズ”など全てのヒットを足しても及ばない
という。
ヒット曲製造工場と言われる所以である。
しかしモータウンの隆盛を支えたミュージシャン達は決して
恵まれてたワケではなく、日陰に身を置いたまま既に
亡くなった人も多い。
この映画では今も健在な人達が当時を語っていくという
内容で、私のような嗜好を持つ人間にとっては事の他
嬉しい内容だ。

とにかく音楽に力がある。
私は映画の冒頭から夢中になってしまい、最後まで
瞬きも惜しい位にスクリーンを見つめてしまった。
マーサ&ヴァンデラスのヒット曲「ヒート・ウエイブ」を
歌うジョーン・オズボーンのチャーミングな事。
私、好きになってしまいました。
そして映画ではオープニングで流れたインスト曲が、
超絶に素晴らしい出来。
録音は1965年だというが、日本ではやっとGSが出て
こようかという時期に既にこれだけの演奏をしているのは、
日本人には衝撃的ですらある。
とにかく強烈なドライブ感とハモンドの音がたまらない、
優良演奏で、体が動き出すのを自制できない。。
サントラ盤というのは音楽的には何かと不満が残る
事が多いのであまり買わない私だが、今回はこの
インスト1曲だけの為に買ってしまった。
しかしこのアルバムはサントラ盤というよりも、楽しい
モータウン・サウンドをカバーした音楽CDという方が
正しいようで、十二分の内容を持った作品だ。

映画のエンディング近く、このCDで演奏してるミュー
ジシャン達が亡くなった先輩ミュージシャンの写真を
持ってステージに上がる場面や、老ミュージシャンが
ボヤくシーンなど思わず目頭が熱くなってしまい、
何とも云えない感動に浸ったのである。
そして自分自身が今まで聞いてきた音楽が、ちゃんと
アメリカ音楽の美味しい部分を辿って来てたのだという
事も確認できた映画だった。