ストラト・パック(THE STRAT PACK)

The Crickets,Albert Lee&Brian May-Peggy Sue-Maybe Baby-I Fought The Law −Oh Boy-That'll Be The Day
■Hank Marvin'Ben Marvin-The Rise and Fall of Flingle Bunt- Sleepwalk-Apaache
■Theresa Anderson-I'm On My Way
■Albert Lee&Theresa Anderson-Country Boy
■Mike Rutherford&Paul Carrack-How Long All Long The Watchtower-While My Guitar Gently Weeps-I Can't Dance
■Gary Moore-Red House
■Jamie Cullum-Angel
■Amy Winehouse-Stronger Than Me
■Paul Rodgers-Muddy Water Blues
■Paul Rodgers(Featuring)Jasmine&Steve Rodgers-Drinking
■Paul Rodgers&Brian May-Alright Now
■Paul Rodgers&Joe Walsh-Can't Get Enough
■Joe Walsh-Funk49-Life's Been Good Life in The Fast Lane-Rocky Mountain Way
■Phil Manzanera-6PM
■David Gilmour-Marooned-Coming Back to Life-Sorrow
■Ronnie Wood-Ooh La La
■All Star-Stay With Me
eagle vision
EV30113-9
このDVDはリージョン・ナンバー1です。
日本国内用DVDプレイヤーでは見ら
ませんので、購入の際はお気を付け下さい。


2004年はフェンダー・ストラトキャスターが誕生して50周年の記念の年だったそうだ。
そんな事普段は気にしてなかったが、振り返ってみれば確かに50年である。
発売以来50年、ストラトキャスターといえばロック系ギタリストの間ではもっとも人気が高いギターといえるだろ。いや、もっともヒットし,
もっとも売れたエレキ・ギターといっても過言ではないだろう。

このDVDはそんな人気ギター、ストラトの生誕50周年を記念して行われた“ストラトの為の”ライブ・イベントの記録だ。
つまり主役はストラトキャスターという事になる。
だから出演者はみんな申し合わせた(そりゃそうだが・・・)ようにストラトを使っている。
「お前は本来ストラトじゃないだろう」と思われる人もいて、星の数ほどいると思われるストラト使用者でも、象徴的なストラト・プレイヤーは少ないのかもしれない。

出演者は上記リストに示した通り。
とても多彩だがストラト使用者として人気が高いクラプトンやジェフ・ベックの姿が見られないのは片手落ちの気がするし、個人的な思いれとしては上記出演者でストラト・プレイヤーとして認められるのはデヴィッド・ギルモアとハンク・マーヴィンだけなのも少々寂しい。。
ジミ・ヘンドリックス、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、ロリー・ギャラガーなどはずっとストラトを使い続けた功労者だが、それらのギタリストの姿が見られないのもまた寂しい。
何だか寂しい事ばかりだが、このDVDなかなか楽しい。

私にとって収穫だったのはクリケッツのライブが見られたこと。
今は亡きバディ・ホリーの曲を演奏してるが、本来3ピース・ユニットというロックバンドとしてはやや変則的なクリケッツもこのステージでは、ブライアン・メイ、アルバート・リーを従えての大所帯。
私、ブライアン・メイという人は殆ど知らないのだが、この人がこういうタイプの曲をやるとは思わなかった。
「That'll Be The Day」ではブライアン・メイがリード・ヴォーカルを取りながらクリアーなトーンの間奏を聞かせ、私は思わずニヤリ。
この曲では何と“ロン・ウッド”まで加わって賑やかだ。

あと、ハンク・マーヴィン、デヴィッド・ギルモアとストラト・プレイヤーのステージが続くが、多くのアーティストのバックを同じバンドが務めており、所々息が合わない部分も見られたりするが、各々のパフォーマンスに水を差すという程のものでもなく、概ね良好な状態だ。
私にとってのハイライトはゲイリー・ムーアの「レッド・ハウス」とアルバート・リーの「カントリー・ボーイ」。
ゲイリーは例の赤いストラトを使って全身全霊でジミへのトリビュート演奏を繰り広げる。
いつものゲイリー同様音が大きくそしてかなり歪んでいるが、歌伴の時に聞かせるクリアーなトーンは私好みでゾクゾクさせられる。
でも私は、この人はギブソン・プレイヤーだと思っている。

「カントリー・ボーイ」はアルバート・リーの早弾きが堪能できる人気曲。
かつてエリック・クラプトンのバンドで来日した時にこの曲を日本のファンの前で披露し、その演奏を聞いたオーディエンスは驚嘆したらしいが、こういう楽曲に免疫?がなかったらやっぱり驚くであろうと思わせる演奏だ。
いずれにしてもライブ映像が少ないこういったアーティストが見られるのは、こういうイベントがもたらす恩恵でファンには喜ばしい事だ。

近々来日も予定されてるポール・ロジャースとブライアン・メイのユニット。
「何と言ったら良いのか?」というのが正直な感想。
ただひとつハッキリしたのは今は亡きポール・コゾフというギタリストが如何に凄かったかという事。
「Alright Now」はコゾフ以外のギタリストには出来ないと実感させられた。

このDVD、アマゾンでかなり安く入手出来るが、残念な事にリージョン・ナンバーが1なので、日本国内用のDVDプレイヤーでは見られない。
ボーナスで付いてるインタビューもかなり面白いので翻訳が付いた国内盤が出ればいちばん良いが、今のところ輸入盤だけなので購入の際にはご注意を。
これの続編で「テレキャス・パック」、「レス・ポール・パック」、「335パック」なんてのを出してくれると面白いんだけど無理か?