The Shadows Final Tour

1.Apache Intro
2.Riders in the Sky
3.Frightened City
4.Theme for Young Lovers
5.Peace Pipe
6.Savage
7.Let Me Be the One
8.Stranger
9.Kon-Tiki
10.Going Home (Theme from Local Hero)
11.Dance On
12.Nivram
13.Lady of the Morning
14.My Home Town
15.Guitar Tango
16.Geronimo
17.Sleepwalk
18.36-24-36
19.Shazam
20.Don't Cry for Me Argentina
21.Equinoxe V
22.Mountains of the Moon

23.Shadoogie
24.Gonzales
25.Don't Make My Baby Blue
26.Rise and Fall of Flingel Bunt
27.Atlantis
28.Shindig
29.Man of Mystery
30.Foot Tapper
31.Please Don't Tease
32.In the Country
33.I Could Easily Fall
34.Day I Met Marie
35.Gee Whiz It's You
36.Summer Holiday
37.Bachelor Boy
38.Little B
39.Theme from the Deer Hunter
40.Wonderful Land
41.FBI
42.Apache
43.Final Tour Interview

180分
Dolby Digital Stereo
Dolby Surround5.1
DTS Digital Surround


2004年に行われたシャドウズ・ファイナル・ツアーを記録したDVD。
全42曲+メンバーのスペシャル・インタビューも含めてたっぷり3時間の収録時間は嬉しい。

公式にリリースされてるいろいろなソフトの中で断片的にシャドウズ(またはハンク・マーヴィン)の演奏を見る事は出来るけど、これだけまとまったカタチでソフト化されたのは今回が初めてではないだろうか。
今までベンチャーズのソフトばかり優先して発売されてきた感は強いけど、今回のこのDVDは先行発売されてたそれらのソフトを一蹴してしまうかと思われる出来の良さだ。
個人的な事を言うとベンチャーズの近年に於けるいろいろソフトにはずっと失望させられ続けてて、それは年齢的な衰えによる「仕方のない事」と諦めていたのだ。
ベンチャーズの45周年を記念したDVDも1〜2度見ただけで、また見ようという気にはなれずにいる。
しかし、繰り返して見てしまうシャドウズのこの良さはどうした事か。(もう何度見たか分からないゾ!)
ベンチャーズとシャドウズ、年齢的にそんなに決定的な差はない筈だ。
しかしサウンドの質は歴然と違う。
その“差”にはアメリカとイギリスといった国土的、あるいは民族的な違いも感じるが、もっと根本的に音楽に向き合うメンタルな部分も感じてしまうのである。

そういう比較をするとシャドウズは今なおバンドとして正しく機能してるように思える。
それはこの3時間に及ぶ映像を見てるといっそう明白になる。

正直に言えばこのソフトに於けるシャドウズにだって年齢的な衰えは感じるが、それは充分に容認できる範囲内なのだ。
むしろ年齢を重ねた分だけ良くなったと思われるような部分も多数見受けられ、それは円熟という言葉に置き換えても良いと思う。

シャドウズ関連のライブ音源・映像という事になるとハンクのソロ・ユニットのステージを収録した「ハンク・プレイズ・ライブ」がファンには有名で、これには非常にクオリティが高い演奏が収録されてる。
個々の演奏のクオリティは高いのだが全体的な感じでは、本作の「ファイナル・ツアー」の方が良い・・・・というよりも私の好みには合っているというのが正直な感想。(両方ともファンは必携だけど。)
これはやはりバンドの魅力だろう。
前者がハンク+バック・バンドという構成なのに対し、後者はあくまでもシャドウズで、当然ハンクもバンドの一員に数えられる。
それがバンドの一体感となって魅力的な方向へ導いているのだろうと思われる。

このソフト、楽曲的にはシャドウズの主立ったナンバーはだいたい収録されてるし、クリフ・リチャードのヒット・ナンバーなども披露されてるのが何とも嬉しい気分にさせてくれて、サマー・ホリディのあのイントロはハンクにしか弾けませんという感じだ。
そのハンクのギターの音色は深みがあって相変わらず美しい響きだが、ウェルチのサイド・ギターが存分に聞けるのも非常に喜ばしい。
思わずウェルチの切れ味の良いギターに耳を傾けてしまう程で、しばしハンクの存在も忘れそうになる。

画質は非常にキレイで、満天の星を散りばめたようなステージも雰囲気を高めているし、オヤジギャグとも受け取れるハンクとウェルチの会話などもとても微笑ましく和やかだ。

良いことずくめのソフトだが更に良いのが値段。
アマゾンで(2005年12月14日現在)2,000円以下という安さで、これは2枚組CDよりも安いのだ。(どーしてだ!)
ただしリージョン・ナンバー1なので日本国内用DVDプレイヤーで見る事は出来ないのが痛いところだ。
しかし、シャドウズ・ファンのみならずギター・インスト好きな人にも是非お勧めしたい。