Connie Stevens
ハンク・ウィリアムス・ソング・ブック


hwsongbook 1.Hey;Good Lookin’
2.I Can’t Help It
3.Your Cheatin’Heart
4.Jambalaya
5.A Teardrop On A Rose
6.You Win Again
7.Settin’The Woods On Fire
8.I’m So Lonesome I Could Cry
9.Cold Cold Heart
10.Honky Tonkin’
11.Nobody’s Lonsome For Me
12.May You Never Be Alone
13.Sixteen Reasons
14.Apolo
15.Too Young To Go Steady
16.Why Do I Cry For Joey
17.A Little Kiss Is A Kiss、Is A Kiss
18.Just One Kiss
19.Make Believe Lover
20.Why’d Wanna Make Me Cry
21.Mr.Songwriter
22.Little Miss Understood
23.Lost In Wonderland
24.Now That You’ve Gone
25.I Couldn’t Say No
26.In My Room

CDが今のように普及してからもうどれくらいの月日が経つのだろうか。
発売当初には私も私の友人達もこれからはCDの時代になると理解はしていても、音質に不安を感じてCDプレイヤーを購入した人は殆どいなかった。
しかし、そんな私でももう既にCDプレイヤーを購入してから10年以上の年月が経ってしまった。
特に最近はLP時代だったら二度と陽の目を見る事はなかっただろうと思われるような音源が続々とCD化されて嬉しい限りである。
本作を都内の某CDショップで見付けた時には嬉しさのあまり思わずCDを抱きしめてしまったほどで、音楽ソフトを買って久々に興奮してしまった。
概ね年齢が40歳以上位で昔から洋楽ポップスを聞いていた人だったら、このコニー・スティーブンスの名は懐かしく響くに違いない。
フィフティーズやシックスティーズが好きな人達のなかには熱烈なコニー・スティーブンスファンがいるが、残念な事に現在発売されている音源は極めて少ないというのが実状なのだ。
今までベスト・アルバムしかリリースされていなかった現実を考えると、本作がCD化された意義は大きい。
本作は1〜12までがカントリー界の大御所ハンク・ウイリアムスの名曲をカバーした「THE HANK WILLIAMS SONGBOOK」で、アメリカ版「恋のかぞえ歌」風の13曲目「SIXTEEN REASONS」から26曲目の「IN MY ROOM」までは数々のヒット曲が網羅されているボーナス・トラックという有り難いアルバムなのだ。
13曲目以降の数々のヒット曲は同じような曲構成でかつてはLPで、また最近ではCDで復刻されて1枚のベスト・アルバムとして存在していたわけだから、本作は立派な2in1構成といえるものだ。
で、何故ギター・ファンのここにこのようなCDが紹介されているかというと、これがいいのですヨ。ギターが。
もちろんこれはギターアルバムではないのでハデなギターソロが聞けるワケではないが、セクシーなコニーの歌声のバックや間奏で怪しく?響くギターはかなりいい。
ギターの間奏が聞けるのは1〜12までの「HANK WILLIAMS SONG BOOK」の中の数曲だけだが、ギター・ソロがない曲でもコニーのキュートでセクシーな歌声だけで充分に楽しめる。13曲目からのボーナス・トラックもナミダ・ナミダのヒットパレードで、メロディがいいので誰にでも楽しめると思う。
さて、ギターに関してだがギター・ソロは1,4,6,9、10などで聞けるが前述した通り決してハデで煌びやかなギターソロが聞けるというワケでは決してない。
ここで注目して欲しいのはその音質だ。昨今のギター弾きの多くがエフェクターを多用してそのギター本来の音質を損ねてしまっているが、ここに収録されているギターの音色はギターそのままの音なのだ。
もし環境が許すなら大きな音量で聞いてもらいたい。
私も小さな音量で聞いている時にはあまり感じなかったのだが、大きな音を出して初めてここに収録されているギターの音の良さがわかったのだ。
その音の良さというのは料理に例えていうなら、素材の良さがそのまま味に出ているという感じで、ソースや調味料で素材の味がわからなくなってしまっているような最近のギターの録音とは明らかに一線を引くものだ。ここには素材の良さがビンビン耳に突き刺さってくるような快感がある。これは最近の音楽では味わえない感覚だ。
私もディストーションでエフェクトされたギターの音は決して嫌いではないが、最近はあまりにもストレートな音で勝負するプレイヤーが少なすぎる。
4はカーペンターズのヒットで有名になったので知っている人も多いと思うが、カーペンターズの計算されたソロと、よりシンプルなソロの本作と聞き比べてみるのも面白いと思う。
私はひたすら元気印の本作のソロもかなり好きだ。
6でのシンプルで節度のあるギターも実にいい。
おそらくフェンダー(テレキャスターか?)と思われるギターが実にいい音を出している。
このアルバムのファースト・パブリッシングが1962年だから、使っているギターは当然それ以前に製造されたものだ。この当時考えられる最も古いテレキャスターを使っていたとしても製造後10年位しかたっていないわけだが、それにしては良い音だ。
ジャンルを問わずフェンダーのギターを使っているプレイヤーは多いが、バリバリのフェンダー・サウンドを味わうのはカントリー・ミュージックがいちばんだ。
だいたいカントリーの曲にはスリー・コード構成というのが結構多いが、3つのコードだけでよくもこんなにいい曲が書けるものだと感心してしまう。まさにプロの仕事だ。
ハンク・ウイリアムスの作品は楽曲として良いものが多く人気も高いので、たくさんの人たちがカバーしているが、この曲に関しては私はこのコニー・スティーブンスのものがいちばん好きだ。いや正直に云ってしまえば他の曲でもコニーのものがいちばん好きというのは多い。ホンモノのハンク・ウイリアムスファンには叱られそうだが、これはもしかしたら、いやおそらく私が真性のカントリー・ファンではないからだろう。
7での小悪魔的なコニーも魅力的だ。スウィングするリズムにのって悪戯っぽく歌うコニーはシックスティーズを歌う時とはまた違った魅力で悩ましい。
しかし、このアルバム前半でいちばんの聞きものは、2,5,8などのスロー・ナンバーだろう。残念ながらこれらの曲にギターソロは入っていないのだが、そんな事は問題ではない。
ゆっくりと語りかけるように歌われるスロー・ナンバーは、一連のヒット曲では聞く事ができないコニーの別の魅力に溢れている。
特にハンク・ウイリアムスの名作として名高い8では、ハリウッド映画調のストリングスがいいムードを添えており、こういう曲では息づかいまでが悩ましい。
13から26までは前にも述べたように懐かしさいっぱいの「ザ・ヒットパレード」だ。
13がコニーの初ヒット曲で1960年に全米3位に記録されているから、もう40年も前のヒット曲だ。これは「恋の数え歌」とでもいえる構成になっており、昔はこういう手法がけっこうあったが最近とんと耳にしなくなった。
ここで思うのはどれもこれも本当にイイ曲だという事だ。18、23、25などは当時シングルのB面として発表された曲だが、B面にしておくのは勿体ないほどいい曲ばかりで、なかにはB面の方が人気の高い曲もあるほどだ。
それぞれの曲に関してのコメントは避けるが、20と25はヒット・メイカーとしても有名なゴフィン&キングの作品だ。
コニーにはこの他に3枚のアルバムが存在しており、それらのアルバムが1日も早くCD化される事を期待したい。
最後になってこんな事を言うのは心苦しいのだが、実はここでギターを弾いているプレイヤーが誰だか解らないのだ。ちょっと言い訳をさせてもらうと、私はもともと研究熱心なタイプではなくて、音楽に関しては楽しく聞ければイイというスタンスで接している。
そんなワケだから誰だか解らないギター弾きの身元を解明しようなどとはさらさら思わないし、こんな古い音源では知っている人の数も少ないと思う。
何かのきっかけで偶然に解れば嬉しいし、これを読んだ方が教えてくれればそれもとても嬉しい事だと思う。
ご存知の方がいらっしゃしましたら御一報をお願いいたします。


続報:上記のテキストはこのHPを立ち上げた2000年の1月にアップしたものである。
    文章の最後の方で「ハンク・ウイリアムス・ソングブック」の他に3枚存在するコニーのアルバムのCD化を熱望する旨の
    発言をしているが、まるでこの声が届いたかのようにその3枚のアルバムが2000年に発売された。    
     これらの3枚はギターを聞くという事から云えばまったく期待出来ないのだが、ついでだから紹介してしまう。

01 Sixteen Reasons
02 On A Slow Boat To China
03 Too Young To Go Steady
04 A Little Kiss Is A Kiss Is A Kiss
05 Why Try To Change Me Now
06 Love Of The Month Club
07 Apollo
08 Too Young
09 Lulu's Back In Town
10 Why Do I Cry For Joey?
11 Let's Do It
12 The Trolley Song
01 Blame It On My Youth
02 They All Laughed
03 Looking For A Boy
04 The Trolly Song
05 Polka Dots And Moonbeams
06 It's A Lovely Day Today
07 Why Try To Change Me Now
08 Hit The Road To Dreamland
09 I Know Why
10 On A Slow Boat To China
11 Too Young
12 Spring Is Here
01 Our Very Own
02 Wild Is The Wind
03 The Long Hot Summer
04 Have You Got Any Castle,Baby?
05 My Own True Love
06 Dancing In The Dark
07 Return To Paradise
08 The Girl Friend Of The Whirling Dervish
09 Because You're Mine
10 Wonderful Copenhagen
11 I've My Love To Keep Me Warm
12 Hajji Baba
ワーナーに於けるコニーのセカンド・
アルバムがこれなのだが、不勉強な
事にリリース年が不明。
「大人は私たちの恋を早過ぎると云う
けど・・・」と歌われる、ナット・キング・
コールの名曲「Too Young」がコンチェ
ッタと本作の両方に収録されているが、
こちらは間奏部にセリフが挿入されて
いてグッド。

collector's choice MUSIC CCM-157-2
1958年発売の本作がコニーのファースト・
アルバムだ。コニーの初ヒットは1960年の
「シックスティーン・リーズンズ」であり、こ
のアルバムではまだドリーミーな曲はなく、
全体にジャズっぽい雰囲気に満ちている。





collector's choice MUSIC CCM-156-2
1963年発表。ウエルナー・ミュラー楽団を
バックに従えたドイツ録音盤。
1963年といえば一連のヒット曲が続々と生
まれてた頃だが、この作品にはそういった
雰囲気の曲は含まれていない。
とはいうものの、やはりコニー様の歌声は
魅力いっぱいなのだ。



collector's choice MUSIC CCM-158-2