ERNEST TUBB Presents THE TEXAS TROUBADOURS
01 San Antonio Rose
02 Cains Corner
03 I'll Have Another Cup of Coffee
04 Twelfth Street Rag
05 The Last Letter
06 Pan Handle Rag
07 Texas Troubadours Stomp
08 I Will Miss You When You Go
09 Rhodes-Bud Boogie
10 Six Days on The Road
11 The Waltz You Saved For Me
12 Honey Love
私のお気に入りバンドのひとつだ。
ジャケットの印象からしていかにも古い感じだが、リリース年がハッキリしない。

ただ、ベア・ファミリーから出てるボックスセットに付いているブックレットによると録音日が1963年の6月になっているので、1963年、
或いは翌年の1964年頃のリリースと思われる。

日本ではちょうど東京オリンピックの頃で、やっとエレキ・バンドが注目されるようになった頃だ。
そんな時代にこれだけのインストを演奏していたのが凄くて、日本のエレキ・ファンには想像も出来ない音楽だったに違いない。

ギターにレオン・ローズ、ペダル・スティールにバッド・チャールトンを配したカントリー・スイングっぽい演奏は実に格好良く、
後に入れ替えがあった各メンバーの中でもこの時期のメンバーが一番素晴らしい。

収録曲は全12曲、その半数の6曲がインストだ。

念のためインスト曲を列挙しておくと「Cains Corner」、「Twelfth Street Rag」、「Pan Handle Rag」、「Texas Troubadours Stomp」、
「Rhodes-Bud Boogie」、「The Waltz You Saved For Me」の6曲だ。

因みに「Twelfth Street Rag」は目まぐるしい程のギターの早弾きで、レオン・ローズ用の曲と言える。
それとは反対に「The Waltz Saved For Me」はバッド・チャールトンのペダル・スティールが美しいワルツだ。
その他の、特に「Texas Troubadours Stomp」や「Rhodes-Bud Boogie」などはギターとペダル・スティールバトルが楽しいスイング・
ナンバーだ。

ギターのレオン・ローズは私が好きなギタリストの一人だが、この人ほど歌伴とインスト曲で印象の変わるギターを弾く人も珍しい。
インストではやや強引かつ唐突とも思えるプレイが随所に出てきて、そこがこの人を好きになるか嫌いになるかの分かれ目だと思う
のだが、歌伴ではそういうプレイが影を潜めてオーソドックスなバック・プレイに徹しているのが素晴らしい。

こういうカントリー系インストではジミー・ブライアントとスピーディ・ウエストのコンビが有名だが、スピーディ・ウエストのスティールは
ギミックが多くて興を削がれる思いがするのは私だけだろうか。
その点テキサス・トラバドースの演奏は選曲にも幅があるし、緩急自在のスイング・スタイル、またはワルツでの流れるようなスティール
など正統的に聞かせてくれるナンバーが多い。


こういう素晴らしいアルバムが各種メディアで紹介されない現実はとても淋しいけれど、カントリー系ギター・インストが好きな
人には是非オススメしたい良作アルバムだ。