クリスマス・アルバム・セレクション〜2

ハッピー・クリスマス
何と24曲ものクリスマスソングが収められたお得なCD。
選曲の多くはポップス系シンガーの歌で占められており、馴染みの深い作品が多い。
特筆すべきはジャクソン・ファイブが1970年に全米1位に送り込んだ、「ママがサンタにキッスした」が収録されている事。実は私もこのテイクが好きだったのだが、何故かなかなか入手できなかったもの。今や歌以外の事で何かと話題を振りまいているマイケルだが、この時はまだ子供声で、伸びやかな声でこの歌を歌い上げている。
もう1曲私が好きなのはカーニー&ウェンディ・ウィルソンの「ヘイ・サンタ!」。この曲の持つポップな味わいは最近耳にしない雰囲気でとても私好み。因みに収録アーティストは、ビーチ・ボーイズ、ポール・マッカートニー、ジョン・レノン、スパイス・ガールズ、ダイアナ・ロス、ベンチャーズ等オールスターだ。
What A Wonderful Christmas/Anne Murray
カナダの歌姫、アン・マレーのクリスマス・ソングを集めた2枚組コンピレーション盤で2001年リリース。
シンガーにもいろいろなスタイルの人がいて、圧倒的な歌唱力を誇る人、妖艶さを売り物にしている人など様々だが、この人を聞くといつも「実直」という印象を受ける。
派手さはないが非常に良い歌を歌う人で、日本での評価が低いのが残念だ。
収録曲はクリスマス定番曲のオン・パレードで誰にでも楽しめる内容。
余談だが、このアルバムの翌年にアンのカントリー・ソングを集めたコンピ盤「Country Groonin'」もリリースされており、ファンには必聴盤だ。

Magic Of Christmas/Natalie Cole with the London Symphony Orchestra
ナット・キング・コールの愛娘、ナタリーが1999年に発表したクリスマス・アルバム。
ロンドン・シンフォニーをバックに絢爛豪華、ゴージャスにクリスマス曲を歌い上げる。
ロック系やブルース系などそれぞれの分野のクリスマス・アレンジも悪くはないが、やはりこういうスタンダードなスタイルは安心して聞いていられる。
1曲目の「ザ・クリスマス・ソング」ではナットとの共演で、「アンフォゲッタブル」を彷彿とさせる。
本来クリスマス曲ではない筈なのに、いつの間にかクリスマス曲の仲間入りをしてしまったルロイ・アンダーソンの「そり滑り」がビッグ・バンド風の味付けで収録されているのがルロイ・ファンの私には嬉しい。
Christmas Is A Almost Here/Carly Simon
カーリー・サイモン2002年のクリスマス・アルバム。
先のアン・マレーは私の印象では「実直」というイメージなのだが、カーリーはそれとは正反対の趣を持っている“怪しい”シンガーのイメージ。“怪しい”とは言葉を代えれば私にとっては魅力的という意味であるが、それ以上にいつもカーリーの歌唱力には感心させられる。
クリスマスという華やいだイメージにカーリーのイメージが今ひとつ重ならなかった私だが、聞いてみてその不安は払拭できた。存在感のある歌声は意外にもクリスマス曲にぴたっとハマった感じでなかなかヨロシイのだ。

A Perry Como Christmas
やはりクリスマスといえばビング・クロスビーと共にこの人が欠かせない。
いろいろなアーティストのいろいろなクリスマス・ソングを聞いてみて、みんなそれぞれに良いのだがやはり定番といえるのはこういうシンガーの作品だと思う。
万人が聞いて違和感を感じないもの、そんな普遍的なものが音楽的財産として長く聞き継がれるのではないかと思う。そう思わせるスタンダードさがこのアルバム(コンピレーションだが・・・)にはあって、クリスマスらしい雰囲気を味わうのに最適。
クリスマスの定番曲も良いのだが、「Love In A Home」のようなしっとりとした曲が実に心地良い。