その4

Ryman Country Homecoming〜2
1999年リリースのライブ盤。
多くのカントリー・アーティストがそれぞれ歌を披露しているが、チェットは「ヴィンセント」を歌うバーブラ・フェアチャイルドの
バックでギターを弾いている。
このライブの録音データが今ひとつハッキリしないが、チェットの音からしておそらく1998〜1999年頃の録音ではなかろうか。
こういう事を言うのはチェット・ファンの一人として忍びないが、この時期のチェットのプレイには生気が感じられない。
病気が原因だろうとは思うがいささか淋しい演奏内容だ。
チェットの音をすべて網羅しようというファンなら必携だろうが、それ以外の人にオススメできる内容ではない。
だが、チェットの事を抜きに考えればオール・スター的な出演者のバラエティーは面白く、それなりの価値は見出せる。
Ryman Country Homecoming〜3
基本的に上記作品と同じ。
チェットはロイ・クラークと共に「アラバマ・ジュビリー」を演奏。
上記の作品でもそうだったが、こちらでの演奏も同じような少々怪しい印象を受ける。
「アラバマ・ジュビリー」はもともとテクニカルな演奏が魅力の曲であったが、ここで聞ける演奏は少々苦しい。
チェットだけではない。ロイ・クラークの方もかつての滑らかな指さばきではなく、どうも? どうも?なのだ。
ロイ・クラークの昔のアルバム「ライブ・イン・コンサート」や「カントリー・ミュージック・フーテナニー」等のライブ録音で聞かせ
てくれた鮮やかな演奏はない。これが年齢という事なんだろうか。
どうしてもチェットのライブ音を持っていたいコアなファン向け。
Kitty Wells/Country Music Hall of Fame
1991年にリリースされたコンピ盤だ。
この中で1曲だけチェットが参加している。
1954年1月にナッシュビルで録音された人気曲「リリース・ミー」だ。
間奏でいかにもチェットといった感じの演奏を聞かせてくれる。
チェットはこの録音から13年を経て1967年にアルバム「CHET」でこの曲を録音してるが、このふたつのテイクを聞き比べてみる
と13年後のチェットが格段のセンスを自分の物にしてるのを実感できる。

どういう訳かチェット・ファンの多くはこうしたヴォーカル物を聞かないようだが、カントリー・ミュージックの曲の良さが再確認でき
る楽曲が多く収録されているこのような作品にも耳を傾けて欲しい。